オレンジ色に輝く善峯寺からの初日の出 。

 元旦の天気予報は、数日前から晴れたり曇ったりでしたが、今年は善峯寺から日の出を見ると決めていました。善峯寺は京都の西山三山のひとつで、山の中腹、標高300メートルほどのところにあります。広い境内からは京都の町がすっきり見渡せます。チャン・ツィイーと渡辺謙が出ていた映画「SAYUIRI」に使われた日の出のシーンは善峯寺からのものです。

 6時を過ぎると駐車場は満車になると聞いていたので、まだ空が暗い5時に出発して、街灯のほとんどない暗い坂道を走ります。自転車や徒歩で向かう健脚な人たちもたくさんいて、若い人のグループなんて、こんなハードな道のりなのにとても楽しそうです。駐車場に車をとめて、開門までまだ1時間もあるのに、すでに山門からは開門を待つ行列ができています。外で待つのは寒いからと車に戻って仮眠して、浅い夢を見ていると、開門を知らせる放送で目が覚めました。善峯寺は広いから、競って走らなくても、どこからでも朝日は見られるのです。けれどやはり気持ちが急いて、お参りも後まわしにして、少しでも高いところへと駆け上がります。

 日の出予報は7時5分でした。薬師堂へ上がる階段の途中で日の出を待ち「今年は暖冬だから寒くないね」などと話をしているうちに、地平線の空がオレンジ色に染まり、元日の太陽が、輝きながらゆっくりと昇ってきました。はるか遠く、東の空にある太陽なのに、見ているだけで、まるで間近にいるように、体がポカポカしてきます。元旦の太陽もいつもの太陽もそう変わらないはずだから、毎日知らず知らずに、こんな、魔法みたいな温もりに包まれて朝を迎えているのだなと、くすぐったい気持ちになりました。

 これまでちゃんとした初日の出を見たことがありませんでした。 若い頃、友達の車で近くの川べりに出掛けましたが、あいにく曇ったまましらじらと夜が明け、気持ちもしらけた帰り道、余所の車と出会い頭で事故に遭いました。ちょっとしたトラブルになって、うちの父ならなんとかしてくれるだろうと友達を連れて家に帰り、父の話をろくに聞きもせず、きゃんきゃんと相手の文句ばかりまくしたてる娘に父は呆れたのか、諦めて話の程度を落としたのか「お前が友達思いなのがお父さんは嬉しい」といいました。

 新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。


2020年1月1日 浜田 ちか